ガルバニウム屋根のメンテナンス

ガルバリウム屋根のメンテナスについて

皆さんのお宅の屋根材は何ですか?日本瓦・西洋風の瓦・平板ストレート・コロニアルストレート・カラーベスト・トタン・金属屋根・自然石粒付ガルバリウム(ジンカリウム鋼板)・ステンレス・銅・アスファルトシングルなどがあります。築30年前後の建物はコロニアルの屋根が多いかもしれませんね。

今日はその中の「ガルバリウム鋼板製の屋根」についてです。

まずは成り立ちを見てみましょう!

ガルバリウム鋼板は、米国のベスレヘムスチール社で開発されたアルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板です。そのめっき組成は、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%からできた鋼板です。 アルミニウムの長期耐久性と耐熱性と軽さに、亜鉛のガルバニックアクション(犠牲防食作用)を合わせ、亜鉛鉄板(Z27)の約3~6倍の耐久性が期待できる板に表面処理を施した鋼板です。

鋼板そのものは鉄を含んでいるので丈夫とは言えそのまま使うと錆びます。その為メインの鋼板を守る保護膜を作る塗装をしてあります。

 

保護膜はアルミニウム含有量55%が耐食効果を発揮する⁈

大切な鋼板を亜鉛とアルミニウムが力を合わせて守る

ガルバリウム鋼板は、アルミニウムの耐食性と亜鉛の犠牲防食作用があります。しかしそれだけではありません!なんと自己修復作用があるんです!!
ガルバリウム鋼板のめっき層は、アルミニウムが凝固し、亜鉛はその層間に結晶化して断面を形成します。この結晶組織は、長期間経過すると亜鉛が溶出した部分に、微細で凝集性のあるアルミニウムの酸化生成物が加わることを「ガルバリウム鋼板の自己修復作用」と言います。なかなか説明が難しいですが簡単に言うと屋根に付いた小さな傷を屋根が自然に直す!という事です。

注意!!直る傷は見えないくらい小さい傷です。割れやヒビが直ることはありません。

ガルバリウム鋼板の表面めっき層は、亜鉛とアルミニウムが混合した構成で、この表面めっき層にガルバリウム鋼板の防錆性能があります。

 

ガルバリウム鋼板の錆を防ぐ方法

「犠牲防食」と「不動態皮膜」という機能がガルバリウム鋼板にあります。それは亜鉛の「犠牲防食」とアルミの「不動態皮膜」を合わせたハイブリッド式で鋼板を錆から守ってくれます。どんな作用が有るのでしょうか?

「犠牲防食」とは、

鉄を主成分とする錆に弱い鋼板よりもさらにイオン化傾向の高い錆びやすい金属で被膜することで、鉄よりも先に溶けだして表面を覆うことで、文字通り「犠牲」となって鋼板の錆を遅らせる機能。この犠牲防食の機能をもつ亜鉛が選ばれたのですね

鋼板には耐食性の高い効果のある皮膜ができないため、アルミめっきを鋼板に付着させるのです。。

ガルバリウム鋼板はアルミ55%、亜鉛43.4%を多く含むめっき層です。犠牲防食では「亜鉛めっき鋼板」、不導体被膜では「アルミめっき鋼板」が相乗効果を出すことで、極めて高い耐用年数と耐久性を実現しためっき鋼板なのです。

 

ガルバリウム鋼板の強みは?

多機能なガルバリウム鋼板は、外装建材としての利用が増えています。

例えば、工事現場の間仕切りや倉庫の壁面や屋根にも使われています。雨風にあたり錆が出やすい環境のところに利用されていることが多いです。

1.錆びに強い

金属系サイディングの中でも、ガルバリウム鋼板は亜鉛めっき鋼板の犠牲防食機能とアルミめっき鋼板の長期耐久性を合わせ持つため丈夫です。そして錆びにくいので購入時は少々高いですが長期的に考えるとお得です。

2.長期耐久性が高い

酸性雨や塩害に比較的に強いと言われています。塩害のある地域でトタンと比較してみると3~6倍の寿命があると感じます。寿命比較ですがトタンは5~10年程度、ガルバリウム鋼板は10年~20年程度と言われています。

3.軽くて丈夫で耐震性にも優れている

ガルバリウム鋼板は非常に薄い板(薄さ1~3mmほど)です。他のサイディングなどと比較しても、ガルバリウム鋼板は圧倒的に軽くて地震の揺れを逃がしやすいので強いと言われてます。

4.塗装がしやすい

表面が滑らかなので着色性が高く印象的な外観を演出できます。

5.遮熱対策が行いやすい

遮熱塗料などを塗装する場合、他建材よりも効果が出やすいと感じます。

 

ガルバリウム鋼板のデメリット

ガルバリウム鋼板の外装建材利用は、メリットばかりではありません。
ここでは、具体的なデメリットを検証してみます。

1.初期費用が高め

ガルバリウム鋼板は施工費がほかの外装材と比較して若干高めです。(特にここ数年の値上がりが気になりますので少しでも早めのご相談を!)

 

2.施工技術が必要

ガルバリウム鋼板の特性を知らない職人が行うと不具合が起きやすいです。少々デリケートなので施工時の取り扱いは丁寧に行う必要があります。

  • 施工時には他の金属と接触させないよう気を付ける(他の金属に接触すると錆びやすい性質を持っています)
  • 湿気を全く通さないので湿気対策の知識と工夫が必要
  • ガルバリウム鋼板の屋根は薄いので音(雨)の対策も必要です
  • ガルバリウム鋼板はその特性上、汚れなどが付着しづらいメリットもありますが、塗装が難しいです。経験と知識のない業者が塗装を行うと塗料の定着が甘くなることがあり、わずか数年で剥がれ落ちることがあります。

     

  • 3.メンテナンス費用(ランニングコスト)が必要

「ガルバリウムの屋根にすると以後メンテナンスフリーは必要ないんですよね!」というお客様がいます。「誰から聞いたのですか???」と聞くと「先日きた業者さんよ~」…との事。いつからそんなことになったのか??お客様にはメンテナンスが必要不可欠であることをお伝えします。

メンテナンスは10年~20年でメーカーや素材によって異なりますが行っていくことで家を守ってくれます。

このように、ガルバリウム鋼板の再塗装は難易度が高いので、これもコストアップの要因となります。

でも、カラーバリエーションも多くなり、遮熱などの効果のある塗料もあるので時代ごとの悩みの解決ができ、気分も一転できる楽しみもあるのがいいです

4.見た目が安っぽい??シンプルでかっこいい??

ガルバリウム鋼板の見た目は好みが分かれます。「かっこいい」という人もいれば「トタン屋根ぽっく安っぽい」「倉庫用??」という人もいます。あなたはどっち派ですか?

5.錆びにくいが錆びないわけではない

ガルバリウム鋼板は丈夫ですが錆びます。完全に錆びないわけではないので、ガルバリウム鋼板もメンテナンスが必要です。

 

ガルバリウム鋼板の代表的な劣化は?

赤錆びと白錆びです

赤さびは表面の傷から鋼板が赤く錆びる現象です。赤錆びはガルバリウム鋼板に傷ついた所から発生する錆びです。外壁に傷が付かず、塗装面に問題が無ければ基本的に発生しません。

傷つける原因

ガルバリウム鋼板面に物がぶつかったり・倒れたり、飛んできたり、日常生活では表面を傷つけてしまうことがたくさん起こってます。また、施工中に傷がつくこともあるので、ガルバリウム鋼板の塗装は施工に神経を使う必要があります。(コストアップの要因になってます)

 

白錆は海岸周辺や、高温多湿地域で発生します。

白いたくさんの斑点が表面に発生する現象で表面めっき層の成分の1つの亜鉛が酸化して表面に出てきたものです。ガルバリウム鋼板のメリットの美観面が損われます。

 

ガルバリウム鋼板のメンテナンス方法

ガルバリウム鋼板もメンテナンスを怠った場合には錆びることがお分かりになったと思います。

では!🤣正しいメンテナンス方法を解説いたしますね~!

注意!!高圧洗浄などでお客様自身が行う場合は、足元がしっかりした安全な場所に立って行いましょう。高い所・不安定な場所は行わないでください。

  1. 高い所はドローンなどを使い、低い場所はお客様と一緒(お客様のご希望があれば)に不具合箇所の確認を行います。これをKAPENの無料診断と言います。結果をお伝えし、必要であればご提案を行います。(施工時期がまだ早い場合は、定期点検をご提案して数年後に施工することも良くあります。多くの場合訪問業者に指摘されたことでご相談をされるケースとご自身が不具合に気付きご連絡を頂くケースが多いです)
  2. ご提案はお客様の住宅に関する日々の悩みを聞きます。その中から1番お客様の悩みが解決できる方法や塗料をご提案し色を選んで頂きます。丁寧に作成した見やす・工程表などをお持ちし確認をしていただきます。ご納得頂けて施工を行う場合はご契約となります。
ちょっと!POINT

ご自身で水洗いを行いたい場合はできるだけ乾燥した時期の晴れた暖かい日に行いましょう。風も少~しあるといいですね。水洗いを行う場合は普段あまり雨がかからない軒下やバルコニー下や風通しの悪い湿気の多い場所は乾きにくいので季節やお天気を確認しましょう。私なら…プロ(㈱KAPEN)に任せます。 道具も揃っているし、危ないし、効率が悪いので🤣

  1. 足場を作ります。高圧洗浄機で洗浄を行った後は傷み箇所の補修です。(破損やサビなどの補修はネットなどにも出ていますが、決して真似をしないでください。補修方法はそんなに簡単なものではありません。)業者でも知識と経験が足りず、より被害を大きくすることがあります。そのような相談をKAPENでは毎年何件もお受けします。
  2. 洗浄・補修が終わったら塗装を行います。

まとめ

ガルバリウム鋼板を使ってもメンテナンスは大切ですし、メンテナンスが不要と言う事はありません。平均的に10~20年毎に塗装は行います。施工時のコストも少々お高いかもしれませんが積雪や雹には比較的強く、軽いので高い耐震性能とすっきりしたデザインの建物に見えます。また、黒色などのインパクトのあるデザインが実現できるため、十分に検討する価値のある外装材ではないでしょうか。

㈱KAPENでは、ガルバリウム鋼板屋根の張替やメンテナンスも技術力・知識・経験数も備えております。屋根の張替などのリフォームの時はより進化した屋根材のご紹介もさせて頂いております。
少しでもお客様のご要望にあったもの、より最新でメンテナンスのご負担が少なくなるものをご提案させて頂くことができます。ぜひご相談ください。

弊社オススメは!! D’s ROOFING    です。ガルバリウム鋼板の進化系と言っていいのではないでしょうか。

ガルバリウム鋼板のマイナス面を減らし、プラス面を最大限に生かした商品だと思います。私たちは日々考え学んでいきます。よりお客様が安心して生活できるために、また私たちの子ども・孫の代も見据えて持続可能な世界に少しですが貢献していくために!