雨漏りの原因を知っていますか?事例と対策をプロが解説

雨漏りの原因を知っていますか?事例と対策をプロが解説

戸建て住宅における雨漏りの発生は、某保険会社によると水事故における雨漏りの割合は『94.3%』に及ぶと報告があります。

残りの5.7%は構造によるものだそうです。

通常生活している中では雨漏りと気づかずに見逃しているものも多いのではないでしょうか?

この記事では「雨漏り」とは何なのか、事例をもとにその対策まで記したいと思います。

雨漏りの定義

雨漏りは不具合等が重なったときに発生します。

① 通常、雨水は外壁材(サイディングやモルタル等)などの「1次防水」によって壁体内部への浸水を防ぐことになります。

② 仮に外壁材の不具合等によって浸水しても、その裏にある防水紙などの「2次防水」により室内への浸水を防ぎます

③ しかし、「2次防水」に不具合等が内在していると、そこから雨水が浸水し、よく耳目にする雨漏りとなるのです。

④ つまり、「1次防水」から極力雨水を浸水させないことが、「2次防水」を守ることに繋がります。外壁防水紙は濡れたままだと撥水性が低下しやすく、耐久力が低下する恐れがありますのでご注意ください。

 

雨漏り発生・瑕疵発見の仕組み

 

上記図からわかるように、瑕疵は新築施工時に内在しますが、通常すぐに発見することはできません。

時間の経過とともに、経年劣化・自然災害等で住宅の耐久性能が低下した時に、その内在する瑕疵を原因とする事故が発生し、初めて瑕疵が発見されるケースが多いのです。

その雨漏り発生リスクを低減させるためにも、定期的な家の点検とその点検結果に応じた適切なメンテナンスが重要になります。

築10年の点検結果で多い必要なメンテナンス

・外壁塗装

・屋根塗装

・シーリング打ち替え

・ベランダ防水の保護塗装 等

 

雨漏り発生件数の多い部位

ここからは上記9年間の集計データをもとに雨漏りが発生しやすい部位や特徴をご紹介します。

 

  1. ケラバ・破風
  2. 棟板金
  3. 下屋根と外壁の取合い
  4. 天窓・トップライト
  5. 太陽光発電設備(架台の取付部分)
  6. バルコニー(ベランダ)笠木と外壁の取合い
  7. サッシ下枠とバルコニー(ベランダ)防水の立上り部分の取合い
  8. 排水ドレン廻り
  9. 手すり壁の上端部
  10. 軒先と外壁取合い
  11. シャッターボックス取付部分
  12. 開口部周囲
  13. 設備配管の貫通部分
  14. 基礎水切りと防水紙の納まり

 

順位 部位 詳細 割合
1 開口部 サッシ廻りの取合部 19.1%
2 バルコニー 防水層とサッシ枠の取合部 6.8%
3 屋根 パラペット笠木と屋根および笠木廻りの取合部 6.0%
4 バルコニー 床の防水層平場部 4.4%
5 外壁 外壁の平場部 4.4%
6 屋根 天窓・トップライト廻りの取合部 4.3%
7 屋根 片流れ屋根の軒先・ケラバ・棟の取合部 3.6%
8 屋根 切妻屋根の軒先・ケラバ・棟の取合部 3.3%
9 外壁 下屋根の外壁止まり軒部 2.9%
10 開口部 配管等貫通部 2.9%
11 外壁 下屋根の雨押え取合部 2.7%
12 外壁 軒裏と外壁の取合部 2.6%
13 バルコニー 排水ドレンおよび排水管取合部 2.6%
14 バルコニー 手すり壁と外壁および笠木廻りの取合部 2.2%
15 外壁 水切り取合部 2.2%

 

 

 

 

都市型住宅のデザイン=軒ゼロ住宅

他の記事でも取り上げていますが、近年スタイリッシュなデザインとなる「軒ゼロ」住宅が流行っています。

屋根が外壁と同じラインまでしかなく、とてもスマートに見えるデザインです。

 

 

この設計の住宅は美観=見た目に偏っており、雨漏りに対しての防水力が低いものです。

理由を一言で表すと「雨仕舞いが難しい」。つまり、雨漏り発生割合が非常に高いものです。

この住宅の特徴として次の5つのポイントが挙げられます。

高気密・高断熱 1度入った水分や湿気が抜けにくく、建材にダメージを与えやすい
陸屋根/超緩勾配屋根 納まりが複雑なパラペットが多い
ケラバゼロ 屋根と外壁の取合いの納めが難しい
軒ゼロ 外壁への雨掛かりが多い
霧除け庇がない サッシ上部への雨掛かりが多い

これらの特徴はすべて雨漏りや劣化の発生原因として直結するものとなっています。

街中を意識して見渡してみるとこのタイプの住宅はまだ築年数も浅いのに汚れていたり、劣化しているのを見かけると思います。

「雨仕舞いが難しい」と述べましたが、その言葉通り、実は新築時における施工不備が原因となっていることも少なくありません。

次からは実際に起きた雨漏り事例とその対応策について触れていきます。

 

屋根廻りの雨漏り事例とその対応策

【飯能市で築6年】パラペット入隅取合い部の防水テープの施工不備

 

 

 

 

原因となった屋根全体(70㎡程)の葺き替えとパラペットの防水再施工および周辺の被害を受けた屋根下地材と直下階居室天井の補修を実施。

 

【鶴ヶ島市で築4年】下屋根下葺き材である防水紙の立上り高不足と防水テープ密着不足

 

 

 

 

原因となった下屋根と外壁の取合い部の防水再施工(40㎡程)および屋根垂木等の補修と被害を受けた直下階和室の壁紙張替えを実施。

 

 【坂戸市で築5年】下屋根軒先水切り板金取合い部の端末処理および防水紙の納まりの不備

 

 

 

 

原因となった下屋根軒先板金と外壁の取合いの再施工および被害の出た外装材の一部張り替えと障子の張替えを実施。

 

【日高市で築29年】瓦と板金の混合屋根の防水施工不備、長年の漏水

 

 

 

 

屋根全体(150㎡程)の下葺き材と屋根材の葺き替えおよび被害居室の天井・壁材の原状回復を実施。

 

外壁・開口部廻りの雨漏り事例とその対応策

【飯能市で築6年】サッシ周囲の防水テープの貼り付け不良

 

 

 

 

原因となったサッシ周囲の防水処理の再施工および被害のあったサッシの額縁や内装の汚損部分の補修を実施。

 

【鶴ヶ島市で築8年】サッシとベントキャップ周囲の防水テープの貼り付け不良

 

 

 

 

原因となったサッシとベントキャップ周囲の防水再施工および被害の出たリビングの内装復旧を実施。

 

【川越市で築12年】軒先ゼロ住宅でサッシ上部の庇(水切り)設置漏れ

 

 

 

 

原因となったサッシの入れ替えおよび上部に庇を設置。そのほかすべてのサッシ下端に水切りの設置および防腐処理を実施。

 

【川越市で築18年】外壁水切り取合い部からの長年の漏水

 

 

 

 

原因となった水切り板金の撤去と新設および腐食した梁や天井材の入れ替え、居室の天井・壁材の現状復旧を実施。

 

日本透湿防水シート協会からの注意喚起

防蟻・防腐剤が十分に揮発した構造材を使用する限り、透湿防水シートへの影響はほとんどないものと考えられていましたが、昨今、構造材のみならず通気胴縁に対しても防蟻・防腐処理されるケースが増加しており、雨水に晒され、溶け出した防蟻・防腐剤が透湿防水シートの防水性を低下させるリスクが高まってきています。

防蟻・防腐処理されている胴縁を使用する場合、施工中雨水でぬらさないよう、胴縁施工後は外装材を速やかに施工するなど十分に注意する必要があるとのことです。

 

バルコニー廻りの雨漏り事例とその対応策

【所沢市で築13年】バルコニーサッシ下端の防水処置の不具合

 

 

原因となったバルコニーの既存FRP防水に対し、ウレタン防水の通気緩衝工法で再施工および雨水侵入により被害のあった居室の天井補修を実施。

 

【日高市で築23年、他業者で防水施工済み】バルコニー横引き排水ドレンと集水器の接続不良

 

 

 

 

 

原因となったドレンと集水器の接続部の再施工および雨水の侵入により被害の出たバルコニー床・手すり壁下地材と軒天材の補修を実施。

 

 

雨漏りのまとめ

雨漏りは古い建物でも新しい建物でも築年数関係なく発生する可能性があります。古い建物の多くは経年劣化による割合が多く、新しい建物では新築時の施工不備がほとんどです。

雨漏りのお問い合わせでは、多くの家主が雨漏りしてしまっていたことに気付いていないのが実態です。雨漏りの初期段階で気づけた方は、住宅を大切にされるために知識を付けた方か、しっかりとした業者に点検をしてもらっている方が多いようです。

基本的に雨漏りを直すための防水工事は、規模を小さく部分的に行うことが望ましくありません。これは雨漏りの程度によらず言えることです。

防水工事は「防水の連続性」を満たしていることが必要不可欠です。防水の考え方は「水が中に入らないように」、「水がたまらないように」、「水が流れるように」「水が切れるように」など複合的に水を防ぐ仕組みを練っています。これらの考え方をもとに板金工による金属防水や防水工によるシート防水、防水工や塗装工による塗膜防水などが施されているのです。

雨漏りは誰しもが避けたいものである一方、莫大な費用をかけて購入されたために何もせずとも「雨漏りしない」と誤認されていることが多くあります。皆様が思う以上に雨漏りは発生しているのが実態です。

雨漏りしてから考えるのも悪くはありませんが、KAPENがこれまでにお問い合わせいただいたお客様にお話を聞くと「雨漏りした時に慌てて業者を探してしまった結果、急いでいたこともあって金額も工事内容も分からず依頼してしまった」と後悔しているお客様が一定数いらっしゃいました。

正しい工事であっても、かけ離れて高額であったり、間違った防水工事をされ、雨漏りが再発してしまったりしているお話を耳にします。信頼できる工事業者を選ぶためには、「見積書の内容」「会社の形態:法人・個人、営業会社・工事会社」「口コミや評判の良さ」「説明・知識力」等々も重要ではありますが、お客様側でも希望される工事の知識を持たれることが最重要です。

 

補足~気を付けてください~よくある訪問販売業者の指摘例!

  箇所 指摘される詳細 言い回し 結末 対応策
屋根の棟

・棟板金が浮いている

・釘が浮いている、抜けている

(左の内容)のが見えたので

・「近くで工事をしていて、親方に言われてきました。屋根に上って直しますよ」

・「知り合いの屋根屋さんがいれば直してもらうといいですよ。いなければ近くの屋根屋さんに連絡してみてください。」→当日は何もせず、日数をおいて→「直しましたか?まだなら直しますよ。」

「雨漏りして危険

だから直しましょう」

・その場で手書きの見積りをし、契約を迫る

・クーリングオフや解約に応じない

・高額な工事費用または違約金が請求される

・手抜き工事や意味のない工事をされる

・そうですか、知り合いの屋根屋さんに相談してみます。

・結構です。お帰りください。

・名刺を出してください。

・家族がいるときにまたお願いします。

…..etc

☆話を聞いてしまうと営業の隙があると思われてしまうので、話を聞かずに断るのが一番です。

 

屋根のケラバ ・ケラバが外れかかっている
屋根の瓦

・瓦がずれている

・釘が浮いている、抜けている

訪問販売業者の特徴5選!

  1. 「親方に言われてきた」という弟子スタイル
  2. 「近くで工事していた」という現場周辺を徘徊する職人
  3. 「釘が浮いていた」等の破損に気付く日本人離れした驚異的な視力
  4. 頼んでもないのに「道具がそろっているので無料点検しますよ」という世話焼き
  5. 「○○が危ないですよ」とだけ言ってその日は帰る伏線張り

 

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#雨漏り #屋根修理 #防水工事